前日の夜、ホテルの受け付けに日本人向けの観光マップをもらっていた。
地図を眺めながら地下鉄1番線を北から流して行こうかなと思った。
梵魚寺、龍頭山公園、ジャカルチ市場、実弾射撃場の順番にまわっていくことに決めたので、まずは朝7時の地下鉄に乗って梵魚寺に向かった。
梵魚寺は山の斜面に沿った屋根が見事な寺なんだと。
1番線老圃洞行きの地下鉄に乗りながらぼんやり外を眺めていたら、途中で地上に出た。
地下鉄とは行ってもずっと地中を走っているわけではないらしい。
街並みも日本とはずいぶん違うな、とキョロキョロしていたら梵魚寺に着いた。
地下鉄”梵魚寺”駅の5,7番出口から山の斜面に沿って100Mほど歩く。
そこから梵魚寺行きのバスが出ているのだ。
途中、キンパクの店で朝食を摂る。
食事中も数名の客が来て、数本のキンパクを買っていたが店内で食べていくのはおいらくらいで、みな持ち帰りにしてた。
食事後、「マシッソッソヨ、チャル モゴッスムニダ(おいしかったです、ごちそうさまでした)。」と言ったら、この店のおばちゃんも優しいくちゃくちゃの笑顔でうなずいて送りだしてくれたのがうれしかった。
バス停までの道で、行き交う人がみな登山にいくような格好をしているのが気になる。
どう考えてもウインドブレーカーにチノパンという格好はひどく浮いていた。
梵魚寺行きのバスは90番である。
ちょうどバスが着いたので飛び乗ったら、あとからあとから登山に行く格好をした人が乗り込んでくる。
ICOCAのような電子カードが普及しているらしく、みなカードリーダーに手持ちのカードを読み込ませていた。
おいらはこの時点では無賃乗車である。
バスはすし詰めになって発車した。
おいらは座れたんだけど、席のすぐ横に立っていたおばちゃんのバッグが目の前をぶらぶらしてうっとおしい。
そんな気持ちが表情に出てしまったのだろうか、おばちゃんが何か話し掛けてきた。
韓国語など分かるはずもなく状況から(ごめんね)って言ってるのかと思って(気にしないで)とうなずいて笑ってみせたら、おいらの膝の上にポンと荷物を置かれた。
どうやら(膝の上に荷物を置いてもいいか?)って聞かれていたようだ。
たいして重たい荷物でもなかったからかまわなかったけど、おばちゃんパワーは日本も韓国も健在らしい。
15分くらい走っただろうか、バスは梵魚寺に着いた。
運転手にいくらか聞いたら、たったの100円だった(もちろんジェスチャーで)。
地下鉄に限らず、バスも安い。



おいらは無信教だが、こういった寺院仏閣は気持ちが落ち着いて好きだ。
崇高な気分になれる。
ぐるりと一周したところで、裏道に出る。
そこは延々と岩山が続いていて、さっきの登山の格好をした人々はここを登っていくらしい。
なんとなく流されてあとを付いて行く。

せっかくだから頂上まで行こうかな?と思っていたら、20分くらい登ったところで頂上の途中まであと2.5キロという看板をみて一気に気持ちが萎えた。
さっきのお店でキンパクを持ち帰っていた人達はお弁当に買っていってたんだなぁ。
おいらも買ってきてたら良かった・・・
再度、梵魚寺の駅まで戻って次は龍頭山公園を目指す。
1番線新平行き地下鉄に乗り、南浦洞という駅で降りて1,3番出口からすぐらしい。
龍頭山公園はちょっとした丘の上にある公園で、公園中央にはブサン市内を一望できる展望台がある。
駅を降りてちょっと歩いたところでこの展望台が見えたので、コレを目印に歩き始めた。

お洒落な街を抜けて丘の傾斜に沿ってしばらく歩いていたら、ぐるぐると斜面に沿って道があるのが見えた。
(ココを道なりに行けばいいんだな)と思って頂上を目指す。
頂上にはこんな公園がありました。

展望台入り口にある売店でスポーツドリンクを買う。
はちみつレモンに似た味で歩き疲れた体に染みとおっていくようだった。

公園には武士の銅像、大きな鐘の他、龍の銅像があった。
何かしらの伝承が記述されていたんだと思うけど全く読めなかった。

公園をぐるりとまわって愕然とした。
なんと下からエスカレータで登れるようになっていたりするんだなぁ、コレが。
全然気付かなんだ・・・
ジャカルチ市場、実弾射撃場に行くのはやめて、西面(ソミョン)の街で昼食をとることにした。
(おいらは肉が食いたいんだぁ)と店を探すが、どの店に入ったらいいのか全く分からない。
適当に歩いて席が客が埋まっている店を探す。
多分、おいしいんだろうと思うから。
一軒、ここにしようと決めて入った。
メニューなど読めるわけもなく適当に壁にかかっていた料理名を指差す。
出てきたのはクッパだった。
どうやらこの店はクッパ専門店だったらしく、よく見ると他の客もみなクッパを食べている。
肉ではなかったけれど、めちゃくちゃクッパも美味しかった。
それに小皿が八皿もついてきてサラダ、キムチ、青とうがらし、etc・・・食べきれないほどの料理がテーブルに騒然と並ぶのだ。
それでなんと450円である。
食事後は「マシッソッソヨ、チャル モゴッスムニダ(おいしかったです、ごちそうさまでした)。」である。
この店のおばちゃんも優しいくちゃくちゃの笑顔でうなずいて送りだしてくれた。
この国のおばちゃんの笑顔は本当に優しい。
食事の喜びを思い出させてくれる笑顔だ。
食後、西面の市場を歩く。
非常に活気あふれる市場で、たくさんの人が買い物をしていた。


イチゴが売られていたので、一つ買っていくことにした。
店のおばちゃんにイチゴを指差して”1つくれ”とジェスチャーをする。
するとそこに積まれていたイチゴの山を袋に詰める。
(えっ!?)ってなった。
なにしろ洗面器くらいある容器に山盛りなのだ。
それで1000円。
粒が小さいイチゴの山は300円だったが、容器は同じくらいある。
てっきり並べてあるだけだと思ったけど、これが一皿なの?
よく見たら”2kg、10000ウォン(1000円くらい)”の表示があった。
一人じゃ2キロなんて食いきらん・・・

ホテルに戻って早速食べてみた。
粒は大きく、口の中は甘い汁気でいっぱいになる。
5粒くらいはポイポイ口に入れたがだんだん手が止まってくる。
しかも全然減った気配がないんだけど・・・
だいたい食べきらないくらいのイチゴなんてものは、ドラゴンボールで願いをかなえてもらうときに素敵な恋人とどちらにしようか迷うほどのシロモノだよ。
こんなにあっさり願いがかなってしまっていいの?
最初はヘタだけ残して食べていたが、どう考えても食べきれそうになかったので赤く熟れた部分だけ食べ白い部分は残すという”セレブ食い”を編み出し、2時間近く食べ続けた。
ホテルの人が”この部屋に泊まっていた日本人、どれだけイチゴ好きなねん”とあきれるくらいゴミ箱いっぱいになったイチゴのヘタを見ながら、晩飯はさすがに食えんな、と思って寝た。
あれだけイチゴを食べたにも関わらず、不思議と腹は減るもので夜8時くらいには晩飯を食いに外出した。
ホテルの近場の店に入ったら、そこは焼肉屋だった。
(近くで肉食えるじゃん)と思ったのも束の間、メニューを指差したら2人前からしか出せないようなことを言っている。
さすがに2人前は無理、おいらがどれだけイチゴを食ってきたと思ってますか?
”コレは?”、”コレは?”と一人前から出してくれる料理を確認していったら”コレは一人前でいいよ、という料理があった。
どんな料理か分からなかったけど、またイチゴが出てきたら死のう・・・
出された料理はボールいっぱいのイチゴ、ではなく冷麺。
春先とはいえ、まだ外は寒いのにご丁寧に氷まで浮かんでいる。
冷麺といっしょにハサミを置いていったんだけど意味がよく分からなくて(寒い中、ボールいっぱいの冷麺をすするあなたは見苦しいから、このハサミで楽になりなさい)ってことかな?と思った。
麺をかき混ぜてすすり始めて恐ろしく長いことに気付く。
延々とすすり続けたが、一向に途切れる気配がない。
(ギャル曽根でも酸欠になるわっ!!)と思ったところでハサミの用途に気付いた。
どうやらこのハサミで適当な長さに切って食すものらしい。
適当に切れ目を入れて、食べ始めたが量がまた多い!!
ふらふらになりながら平らげて店を後にした。
結局、焼肉は食えなかったなぁ・・・
ホテルに戻って風呂に入る。
イチゴが入っていた洗面器が思わず役に立った。
欲しいものは相変わらず手に入りませんが、必要なものが手に入りました。

最悪4月までかかるよ、と言われていた仕事。
月曜日からまたがんばって行こう、と思ったら客先との協議で韓国行ってやってきた作業はやらなくてよくなり、あっさり帰国が決まった。
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